T-one web トップ > T-one's people > 松本 佳津さん

T-one's people クリエイティブな人に聞く

クリエイティブな人に聞く 日本フリーランスインテリアコーディネーター協会(JAFICA)所属/株式会社MATSU.COM ing 代表 松本 佳津さん

日本フリーランスインテリアコーディネーター協会(JAFICA)所属/株式会社MATSU.COM ing 代表 松本 佳津さん

プロフィール

株式会社MATSU.COM ing 代表
インテリアデザイナー&コーディネーター、窓装飾プランナー

住宅やクリニック、オフィスなどの空間プランニングからトータルデザインを手がけるほか、大学、専門学校、インテリア関連業などでの講演やセミナーなども行っている。メディアにも多数出演し、著書に「はじめて学ぶこれからのインテリア」(ハウジングエージェンシー出版局)がある。
JAPANTEX2015インテリアデザインコンペ優秀賞
愛知淑徳大学 創造表現学部 建築・インテリアデザイン専攻 教授
日本フリーランスインテリアコーディネーター協会(JAFICA)所属

伝統的な日本家屋を活かしつつリフォームした案件。
お料理大好きなクライアント様と田の字型の和室の襖を壁のように収納できるタチカワの間仕切アズウッドを採用。
住まいをリフォームされてから、定期的にリビングでライヴコンサートを開催するようになったというクライアント様 「見える化」と「抜け感」でご家族のストレスも低減 お勉強が大好きな受験生のお子様の「トイレに書庫を!」という希望を叶えたインテリア 左:旅のお供のスケッチブック。旅先で出会ったすてきなものや、ホテルの間取りがぎっしりと描かれている。
右:趣味は旅先で走りながら外観を観察し、インテリアを想像する「旅ラン」。
旅先にて。「その土地特有のしつらいに出会えるのが興味深い」と松本さん。 愛知県尾張旭市 しろまえ歯科様
インテリアだけでなく、外観・サイン・販促物(診察券、薬袋)も含めたトータルでコーディネート
待合室には、工場まで製品の確認に行き、個人輸入したスペインOndarreta社のチェア。高齢のお客様にも好評。 松本さんもお気に入りのデュオレを使用。 松本さん手作りの「ピザ釜ガウディ風」

ICの資格を取得したきっかけと、
お仕事の経緯について教えてください。

高校生の時、「将来の夢は?」と聞かれ、とっさに答えた「インテリアデザイナー」。美大に進学して空間デザインを学びましたが、就職したのはインテリアとは関係のない、デパートの販売促進でした。

30年前、実家の父が倒れ、家業の建設業を継ぐために愛知県に戻りました。そこで初めて、建設業の中で自分にできそうなこととして、当時人気だったICの資格を取得しました。自己流の勉強だけでとったので、実際はどのように仕事を進めてよいのか、何をしてよいのかわからず、毎日手さぐりでした。

その後、バブルがはじけいろいろな経験をいたしましたが、11年前に今の会社を立ち上げ、その時にインテリアコーディネートに特化した事業を展開する会社にしようと思い、今に至っています。

仕事をする上で常に心がけていることやポリシーを
お聞かせください。

私を信頼してくださるお客様の為だけに仕事をしたいと思っています。リピーターや、その方からのご紹介でお仕事をさせていただくことが多いので、ご縁はとてもありがたく、大事に感じています。

ICは、お客様のニーズやウォンツを探り、潜在的なものも含め具現化する仕事であり、10年先までお付き合いをする、いわばお客様の人生に寄り添う、非常に特異な仕事です。未来の形のないものを納得してもらわなければいけないため、常に相手の中にある答えを探っています。

また、借金はしない、社員は雇わない、営業はしない、という3つの『しない』を肝に銘じています。
建設業は資金繰りが命なので、身の丈に合った仕事を心がけ、先の見えない時代なので社員は雇わず、外注、案件ごとのチームで乗り切っています。さらに、私は根っからのクリエイターで、絵を描いたり、プランを練ったり、企画をしたりが大好きです。好きな事を仕事にしたいと立ち上げた会社ですので、営業しなくても仕事が来るような仕組みを構築しています。

この仕事は穴が開けられないので、健康で元気であることも、とても重要だと思っています。

インテリアのアイデアやヒントは、
どのように発見・発想されていますか?

どこへ行くにも、必ずコンベックスは持ち歩いています。とにかく、見る、触る、そして測る!そして描く。写真もよく撮りますが、実際に描くほうが、スケール感がよくわかるし、細部も観察することになります。

旅先では必ず、泊まったホテルの間取りを描くようにしています。また、特に今年は1日1点、何かしらスケッチしようと思っています。
「旅ラン」が趣味なのですが、旅先では、走りながら外観を観察し、インテリアを想像しながら走っています。フルマラソンは1回完走。また、ハワイのマウイマラソンはハーフですが4回連続参加しました。

今まで手がけた中で一番嬉しかったことや
印象に残っている仕事を教えてください。

大学教授となって丸3年が経ちます。教育はやりたかったことの一つでしたし、インテリアの大切さを伝えていくことは長年悩み悩み培ってきたことでもあるので、講師ではなく教授として依頼があった時は、新たな使命をいただいたと気持ちが引き締まりました。ゼミのテーマは『超高齢社会のインテリアのあり方』。10年後にフォーカスし、インテリアの今を感じてもらえるような内容にしたいと思っています。
インテリア関係に就職する学生も多く、卒業式ではゼミ生に学位記を渡しますが、学生たちの成長ぶりに涙が出ます。これからも、もっともっとインテリアの可能性、愉しさ、大切さを伝えていきたいと思っています。

仕事上でも、印象に残っていることは多々あります。特に、バブルがはじけた後は、仕事量が激減しました。当時は社員が沢山いたので「何でもかんでもやります、できます」という営業をしていたんです。私はICの資格だけで、ろくにインテリアの仕事もできなかったため、懇意にしているお客様から、「何でもできる、何でもやる、というのは何でもいい加減ってことだ」と言われ、あらためて自分のブランディングの大切さに気付かされました。 ICの方々にも、資格武装をしたり仕事の間口を広げようとする方が多いのですが、範疇の広い仕事なので、得意分野をきちんと深く自身のものにすることが大事だと思っています。
今、おつきあいのあるお客様には、お医者様や社長様が多くおられます。ご苦労を理解できるからか、いろいろと相談をされることも多く、相談役のような立ち位置でいます。そのことにより仕事の幅が広がりました。
またある方には「情報は発信した人に集まる」と言われたので、会社を立ち上げた際、ICのネットワークを作り、情報を発信するようにしました。そこで、ICの仲間たちと知り合い、いろいろな仕事につながりました。

ご自宅や仕事場で
お気に入りのインテリアアイテムはありますか?

旅が好きなので、毎年2回は海外へ行こうと思っています。最近は日本各地のIC協会から講演依頼があり、国内もあちこち出かけていますが、その土地その土地のしつらいに出会えるのは、とても興味深いものです。

アートも大好きです。オランダのゴッホ美術館にてゴッホの自画像に出会えた時は感激しました。また、レンブラントのアトリエが理想の部屋なので、そこに身を置いて深呼吸した時は本当にうれしく、ずっとそこにいたかったです。

自宅でのお気に入りは、今年の春までに完成させたいピザ釜ガウディ風です。今タイルを張っていますがなかなか時間が取れず、完成までにはもう少しかかりそうです。
DIYも好きで自宅や事務所をちょこちょこいじっています。BBQの炉も作ってあるので、時々パーティーもします。アウトドアリビングがあるって、すごく良いですよ。
インテリアも一緒に成長し人生を歩んでいる、そんな風に思っています。

窓まわりでよく利用するアイテムを教えてください。

デュオレは必ずお勧めします。シャープなイメージと機能性が相まって、お気に入りの製品のひとつです。ブラインドも根強い人気があり、最近は木製のものがいいですね。インテリアはカラーが重要なので、ロールスクリーンの生地ではマカロンをよく使っています。

松本さんのようになりたい!と日々仕事に励んでいる皆さんへ
アドバイスなどメッセージをお願いします。

これからは今まで日本が経験したことのない時代がやってきます。
寿命は100歳を超え、おひとり様が増え、AIが暮らしやインテリアに入り込んできます。そこで大切なのは、常日頃からの多角的な勉強と情報収集です。インテリアは環境の最小単位ですから、今後ますます重要な位置づけになり、優先順位を含めお客様のご要望を的確に分析し示す能力のある専門家になる必要があると思います。インテリアは人生の豊かさに大きく影響があるものと肝に銘じ、お客様と共に仕事をぜひ楽しんでください。

このページのトップへ